自分らしく生きたい

自分の体験が誰かの生活のヒントになったらいいなと思います

楽しかった箱根旅行/夜が明ける(西加奈子)読了

10月1日

 

 

 

彼の発案で先日、日帰り箱根旅行に出かけた。正直、収入の割に私たちは頻繁に旅行に行き過ぎではないかと後ろめたく思っていたのだが、実際に行ってみた感想としては、すっごく楽しかった!行ってよかったー!最高!である。

 


にしても、彼の発案だというのに彼からプランの説明は一切なく旅行の前々日になったので、(後ろめたい気持ちがあったので私からなかなか計画について声をかけなかったのもあるが)心配になってルートやそもそも箱根とはなんぞや、というところから調べ直したりして、大まかなルートの決定、とりあえずバスで行ったほうが目的地までお得ということでバスの予約、次の日の晩(つまり旅行前日の晩に)後半の計画(目的達成後、帰りの時間までより観光地を楽しく多く巡るための微調整)を立てて、荷物の準備をして、もう限界!あとはなんとかなるだろう!と明日に任せて眠って旅行当日を迎えた。

 


そんなふうにバタバタと出発したわけだが、急ごしらえの計画は控えめに言って完璧で、丸一日、存分に箱根を楽しんだ。

 


旅の目的(彼が箱根に行きたかったわけ)であったポーラ美術館がかなりよかった。まず箱根にまで行く甲斐がある、充実した展示内容だったし、それにとても建築の美しい美術館だった。私のイチオシは館内のカフェ「TUNE  CAFE」で、お昼に食べた山菜うどん(これがまた美味しかった、旅の素敵な思い出の一つ)のお口直しをと真っ先にそのカフェに向かったところ見事心を奪われた。白を基調として、どちらかといえば無機質なテーブル・空間に、『ピュアレッド』のポーラのロゴ、看板、メニュー表、コースター……いずれもポーラ美術館のメインロゴをあしらった、テキストで魅せるデザインで、そのカラーが、ピュアレッドなのである。圧倒的おしゃれ。ハイセンス。遊び心ってこういうことかと、専門じゃないのでうまくいえないけど、私はすっごく気に入った。

 


カフェでひとしきりはしゃいで、写真を撮りまくって(お客さんは少なかったけど、ちょっと迷惑な嫌な感じの客だったと思う、プチ反省。)それからいざ見に行った展示が本当によかったのだ。日本画の展示で、その成り立ちから現代に至るまでを丁寧に追った熱心な展示だった。

 

 

 

この文章を書いている晩(10月1日から2日に変わる深夜)事件が起こった。後から冷静になって思い起こせば彼の学校の課題に対するストレスの捌け口にされていたと解釈するのが、彼に対しては失礼で残酷ではあるものの自分を守るためには正当で腑に落ちる考え方だと思う、半日たった今はそう思うことで事をこれ以上荒げないように意識しているわけであるが、今後どうなるか少し不安だ。

 

 

 

 

 

 

10月2日

 


夜が明けるを読み終えた。凄まじかった。物語のほとんどが闇だ。たまに(こちらは眩しいくらいの)救いがあるおかげで読み進めることができるが、それでも物語は最初から最後まで、ひどいひどい闇だ。数は少ないものの、その特に最後の救いは鮮烈で、余談になるが私はこの登場人物の描写をいわゆるZ世代への期待(Z世代とか使うと急に陳腐になるがわかりやすいから仕方ない)これから大人になるものに託された希望を表現しているのだと考察してみると急に爽やかだ。とにかく気持ち悪い、胸糞悪い話を黙々と読み進める必要がある。物語は最後に最初につながる。「環」という表現が思い浮かぶのだが、なんだかいい言葉が見つからない、最後に一気に伏線回収されるような腑に落ちる感じがする。我々読者が苦労して読んだ闇は、落ちるところまで落ちた主人公がこれから映すものなのだと理解する。火の灯るような、空が白み始まるような、つまりタイトルである夜が明けるような終わり方がなんともよかった。というか、あの深い深い闇に一筋でも光が差して終わってくれて助かったと表現したほうが正しいか。総評して、今回の西加奈子さんの本も、本当におもしろい、魅力的なお話だった。いい感想が言えない。とにかく読んでよかった。

 


昨日は暑かった。湿気っていたのだ。まだ夏なのかよとうんざりした。でも今日はちゃんと秋の匂いがする。涼しくて静かだ。洗濯を干して、外の空気を常に室内に通して、気持ちよく本を読んだ。

 


…とにかくクーラーが嫌いだ。クーラーをつけないと微妙に暑くてたまらないのにいざクーラーをつけると体が冷えて気持ち悪い気温が心から嫌いだ。最近は特にクーラーからカビ臭くて納豆のような匂いがする(掃除はこの前したばかりなのだが…一夏分のカビがびっしり生えていたから。)だからつけなきゃいけないと思うと本当に憂鬱だ。10月だぞいい加減にしろ!と怒鳴りたくなる…